学部長あいさつ

音楽をこよなく愛し
人と関わることが大好きなあなたへ
吉村 奈保子

日本音楽療法学会評議員
東京音楽療法協会理事
日本音楽療法学会認定音楽療法士

音楽療法の方法

音楽療法は、音と音楽がもつ様々な要素を意図的に用いながら、対象児・者が本来持っている「生きる力」 を高めるために身体、精神、社会性、情緒などの各機能面にはたらきかけるもので、その方法(技法)は目 的に応じて異なります。例えば、リハビリテーション領域の音楽療法。片麻痺の対象者Aさんに手指を動か す機能訓練を目的とした音楽療法を提供する場合、楽器を提示する方向を考慮したり、音楽に合わせて楽器 の音を出すことが機能訓練になるように工夫します。また、動きの激しい自閉症スペクトラムの児童Bくん への、穏やかな動きの経験を目的とした音楽療法では、使用する音楽のテンポを徐々に変化させながらはた らきかけます。このように、音楽療法には、楽器を操作することを通して、対象児・者と音や音楽を通して 目的をもって関わることが求められるのです。

音楽療法士は、人に輝きと喜びをもたらす「音楽の魔法使い」

高齢者施設で、認知症の方が歌うことで表情にかがやきを取り戻す瞬間を経験した時、知的障害をもつ児 童が楽器活動の中で達成感に満ちた微笑みを返してくれた時、音楽療法士は共によろこびに包まれる瞬間を 感じることができます。

何を「学ぶ」のか?

その「よろこび」を共有するために、私たちは多くのことを学ぶ必要性があります。「障害」とは何か?
「療法」とは何か? そもそも、人が健康に生きるとはどういう状態なのか? について理解を深めること。 音楽に対する知識や人と関わる「援助者」としての心構え、姿勢(態度)について実習を通して体験的に学 ぶことも大切です。そして「療法士」をめざす自分自身について知ることも。
対象児・者が変化するためには自分自身も変化することが求められるからです。

本学院の教育理念は・・・

知的探求心をもち、柔軟性と創造性を身に付けた音楽療法士の養成です。
授業を通して知識や理解を深めながら、仲間同士が互いに励まし合い高め合うことを理想としています。
それぞれの個性と音楽的な表現力を活かしながら響き合い、豊かなハーモニーを奏でる場となることを願っています。

さあ、皆さん! 学院の扉をたたき、ともに学びましょう!

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